2009 Fiscal Year Annual Research Report
初期設計段階での不確定性を考慮した有限要素法の開発
Project/Area Number |
20560124
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
石川 晴雄 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 教授 (20111693)
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Keywords | 設計工学 / 構造工学 / 有限要素法 / 初期設計 |
Research Abstract |
節点座標や材料定数といった入力情報と変位や応力といった出力情報との関係が非単調の場合に対処し、入力の範囲情報から出力の範囲情報を求めるために、新たに局所探索法の導入を提案した。具体的には、その手法として遺伝的アルゴリズム(GA)を利用するものとした。これは特に形状情報に関係する節点座標が変動する場合に特に考慮すべきことがらである。しかし節点座標は、一般的には[0.1]の範囲を越える実数値であり、遺伝的アルゴリズムにおける遺伝子表現0と1の組み合わせとの関係が必要になるが、この関係性表現も新たに提案した。この提案に基づくGAを構築した。また形状変更に伴う計算の非効率化を防ぐために、領域分割法の導入も図った。領域分割法により,形状に対応する節点座標の変動がある領域とそうでない領域に分割する手法である。そうすることにより,非変動領域は1回の有限要素法解析(剛性マトリックスを1回作成)で済むので、全体としての解析効率が大きく向上することになった。これらにより、初期設計段階において形状検討を実施するときの不確定性が一般的に処理可能となった。今回の提案の有用性を確認するために、3次元トラス構造の解析にセットベースのアルゴリズムおよび遺伝的アルゴリズムを導入した解析プログラムの開発を行った。解析精度、解析時間、設計上の有用性などに関する計算結果からも、今回の提案内容の有効性を示すことが出来た。以上より、初期設計への支援手法として位置づけることができた。
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