2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560126
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
中野 健 Yokohama National University, 大学院・環境情報研究科(研究院), 准教授 (30292642)
|
Keywords | トライボロジー / 静止摩擦 / 動摩擦 / スティックスリップ / 表面波 / レイリー波 / 表面弾性波 / 可視化 |
Research Abstract |
上下2個のアクリル製ブロック(上部スライダの長さ:100mm、幅:5mm、高さ:30mm)で構成される線接触部に平面グリーンレーザを照射して、ラインスキャンカメラにより同接触部を可視化する実験装置を設計・試作した。同接触部に400Nの垂直荷重を加えた後、上部スライダに与えた接線荷重(接触部の長手方向)を漸増し、スティック相からスリップ相、スリップ相からスティック相に摩擦が相転移する際の接触部の様子を、秒速28000フレームで高速度撮影した。上流側・下流側ともに200Nとした均等荷重(全荷重400N)を加え、上部試験片の下流側から接線荷重を与えたとき、接触面には3種類の波動が発生した。第1の波動は下流側から発生する速度約500m/s程度の波動、第2の波動はそれに続く約40m/sの波動で、速度約1000m/s第3の波動が接触部を伝播した後に、接触部はスティック相からスリップ相へと相転移した。一方、上流側を300N、下流側を100Nとした偏荷重(全荷重400N)を加え、上部試験片の下流側から接線荷重を与えた場合には、上記の第3の波動のみが発生し、スティック相からスリップ相へと相転移した。なお、均等荷重、偏荷重のいずれの条件においても、スリップ相からスティック相への相転移の様子は、スティック相からスリップ相への相転移と比較して曖昧であり、比較的緩やかな真実接触面積の変化をともなう現象であることがわかった。
|