2010 Fiscal Year Annual Research Report
多孔質含油材料を用いた電気しゅう動接点のトライボロジー特性
Project/Area Number |
20560128
|
Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
金子 覚 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (90161174)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田浦 裕生 長岡技術科学大学, 工学部, 助教 (20334691)
|
Keywords | 多孔質含油材料 / 電気しゅう動接点 / 透過率 / 摩擦係数 / 分離度 / 無次元軸受特性数 |
Research Abstract |
本研究の目的は,小型DCモータのブラシなどに広く使用されている電気しゅう動接点部の通電特性とトライボロジー特性との関係を物理的な面から明らかにするためにシンプルなモデルを用いて実験的,理論的に解析すること,また多孔質含油軸受材料を用いて電気しゅう動接点の性能向上をはかることである. 平成22年度の研究実績は以下の通りである. 1. 数値解析:しゅう動方向(ライダの長さ方向)に加えてそれに直角方向(ライダの幅方向)の流れを考慮した二次元的なモデルに拡張し,しゅう動接点部の油膜反力,摩擦係数を数値計算できるコードを作成した.このコードを用いて2種類の組合せ(solidライダ/多孔質回転ディスク,solidライダ/solid回転ディスク)について油膜反力,摩擦係数等を算出し,これらに及ぼす多孔質体の透過率の影響を調べた. 2. 実験:ディスクの透過率をパラメータにして,しゅう動接点部への負荷荷重,回転速度(しゅう動速度)と摩擦力,接触電圧の関係を調べた.なおしゅう動接点部の回転に伴う摩擦力はライダに取り付けた板バネのしゅう動方向のたわみを歪みゲージを用いて測定した.またしゅう動接点部の導通状態はディスクとライダ間に加えた印加電圧の変化により確認した. 3. 実験結果:多孔質含油材料は,透過率が高いほど導通状態を維持できる無次元軸受定数S(=ηUL/W,η:潤滑油粘度,U:滑り速度,L:ライダ長さ,W:負荷荷重)の上限値が大きくなり,より広い運転領域(例えば高速度,低負荷荷重)で使用できる. 4. 上記実験結果は数値解析結果と定性的に一致した.また,しゅう動接点が接触し始めるSの実験値は,最小すきまをゼロではなく,しゅう動面(二面)の合成自乗平均平方根粗さRqの約3倍の値とした場合のSの計算値と定量的によく一致した.これより,接触し始めるSの上限値を理論的に予測するには最小すきまを3×Rqとして得られるS値を用いることが適当であると考えられる.
|
Research Products
(2 results)