2009 Fiscal Year Annual Research Report
熱可逆性ゲル状潤滑剤のトライボロジー的性質と応用展開の可能性
Project/Area Number |
20560135
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
大野 信義 Saga University, 理工学部, 教授 (00039265)
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Keywords | トライボロジー / 機械要素 / ゲル状潤滑剤 / 転がり軸受 / EHL / 状態図 / ゾル / ゲル転移 / DAC |
Research Abstract |
基油に脂肪酸アミドをゲル化剤として配合した熱可逆性ゲル状潤滑剤は,常温で半固体ゲル,加熱により液体ゾルを可逆的に繰り返す新規油剤である.研究成果は以下の通りである. ○ 脂肪族アミドの分子構造および配合量の影響 ボールオンディスク往復摺動摩擦試験,曽田式四球試験,多孔質焼結含油軸受試験を用いて評価を行なった結果,脂肪族アミドのアルキル基は,炭素数が長く,飽和結合ほど低摩擦であること,また,ゲル化剤配合量は潤滑条件により最適な配合量が存在し,概ね20~30%であることを明らかにした.さらに,ゲル状潤滑剤はリチウム石けんグリースやウレアグリースに比べ摩擦・摩耗特性が良好であった. ○ 実使用環境をシミュレートした潤滑性能評価 高温,水混入での潤滑性能評価およびゴム材と金属材による摺動試験を行った結果,ゲル状潤滑剤は高温での使用,特に液状化した際にも高い潤滑性能を発揮すること,また,水の混入時にも潤滑性能が損なわれないこと,さらに,ゴム材と金属材間の摺動のような厳しい潤滑条件でも高い潤滑性能を発揮することを明らかにした.
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