2008 Fiscal Year Annual Research Report
撥水・超撥水面でのスリップ流れを利用した簡易な軸受構造
Project/Area Number |
20560140
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
竹内 彰敏 Kochi University of Technology, 工学部, 教授 (30206940)
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Keywords | スラスト軸受 / スリップ流れ / 撥水処理 / 超撥水処理 / トライボロジー / 機械要素 |
Research Abstract |
本研究では,スリップ流れが発生する撥水処理面と未処理の面を隣り合わせに配置することにより,せん断流量の不連続性を得て圧力を誘起する,簡易な「スリップスラスト軸受」を提案・検討しており,平成20年度には下記の結果を得た. 1,撥水性の程度(接触角)の差による軸受特性の違いを,撥水性の異なる3種類の軸受により調べた結果,撥水性が劣る試験片では最小摩擦が高くなり,軸受面も損傷を受け易くなることが明らかになった. 2,扇部の数(角度)やスリップ部と非スリップ部の面積割合が軸受特性に及ぼす影響を調べた結果,本スリップ軸受の場合,6扇軸受の特性が3扇や12扇軸受より良好であり,扇数に最適値が存在することが明らかになった.また,スリップ部(撥水部)と非スリップ部との面積が等しい軸受が良好な特性をを示すことが分かった. 3,2個の狭帯域振動子を組み合わせて,2つの機械的な共振点を持たせた超音波探触子を製作し,各共振点で膜厚に応じた安定した反射強度の変化が得られることを確認した. 4,気泡の存在に敏感な反射波の路程差により,キャビテーションの確認の可能性を検討した結果,気泡の存在により,反射波の強度は同じでも路程が短く現れることが明らかになった. 5,過酷な運転状態に陥る起動時の軸受特性は,3扇撥水軸受,全面撥水,全面未処理と順次悪化し,未処理試験片では摩擦面が損傷を受ける.3扇撥水軸受の起動トルクは3試験片中最も低く,急速に規定回転数に達し,安定した挙動を示すことが明らかになった.
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