2010 Fiscal Year Annual Research Report
トライボケミカル反応を利用した自動車排気ガス浄化に役立つ低摩擦・低摩耗材料の開発
Project/Area Number |
20560142
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
村上 敬 独立行政法人産業技術総合研究所, 先進製造プロセス研究部門, 主任研究員 (40344098)
|
Keywords | トライボロジー / 表面・界面物性 / 材料加工・処理 / エネルギー効率化 / 環境対応 |
Research Abstract |
昨年度エタノール中でFe_7Mo_6基合金より低摩擦の得られたFe-Si系合金について、Siの割合(Fe_2Si、Fe_5Si_3、FeSi、αFeSi_2、βFeSi_2などを作製)や焼結条件などを変えた場合の摩擦・摩耗特性の変化について調べ、Si濃度が高いαFeSi_2、βFeSi_2の摩擦係数が最も低く安定(0.1程度)になることを明らかにした。特に摩擦試験開始直後に0.06程度まで摩擦が下がることを確認した。この摩擦試験開始直後の低摩擦現象の原因は確認中であるが、この原因が明らかになれば、さらなる低摩擦材料の開発につながると考えられる。 また昨年度減圧プラズマ溶射により低摩擦・低摩耗な多孔質Fe-Mo系合金被膜が形成可能であることを明らかにした点について、溶射電流の大小によって異なる構成相(Fe_7Mo_6相、FeMo相、準安定BCC相)の摩擦・摩耗特性に対する影響及び熱的安定性を調べた。その結果、構成相が異なることで摩擦・摩耗特性はほとんど変わらないことがわかった。またプラズマ溶射で形成される準安定BCC構造のFe-42at%Mo合金被膜は600℃以上まで安定であることもわかった。一方エアロゾルデポジション法による被膜形成は原料粉末の粒径の選定など数点に問題があり目標の被膜を得ることができなかった。しかし適切な粒径選定などの対策を行えば、解決可能であると考えられる。
|
Research Products
(7 results)