2010 Fiscal Year Annual Research Report
非構造格子系LESに適したマルチスケールハイブリッド乱流モデルの開発
Project/Area Number |
20560143
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
坪倉 誠 北海道大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (40313366)
|
Keywords | 流体工学 / 乱流 / ラージエディシミュレーション / 数値流体力学 / 非構造格子 |
Research Abstract |
本研究では,LESの工学的応用と産業界における実用化において不可欠な、非構造格子系に最適化された乱流モデルの構築を目指して,以下の項目を段階的に進める. (1)「非構造有限体積法離散スキームの構築」 (2)「非構造格子系に適したSGSモデルの構築と高精度化」 (3)「マルチスケールハイブリッドモデルの構築と壁乱流における検証」 (4)「実用的ブラフボディ空力における検証」 本年度は昨年同様(2)~(4)に取り組み,非構造格子系に最適化されたモデリング誤差低減手法の開発を行った.特に対流項に対する風上差分のブレンド率を壁面距離に応じて最適化することで,空力予測性能の向上を図った.検証対象としてブラフボディ形状の代表である球を選定し,境界層の遷移・剥離の予測精度を検証するために,ドラッグクライシスが発生するレイノルズ数近傍でのLES解析を行った.プリズムとテトラを併用した非構造格子に対して,シュリフティングによる層流境界層厚さの見積もりの式を利用して格子のスキューネスと解像度を最適化することで,4千万要素数という比較的粗い格子数にも関わらず,10^4~10^6の範囲のレイノルズ数でCd値の急激な変化の再現に成功した.さらに回転球に作用する揚力変化(マグヌス効果)について,ドラッグクライシス域で理論と異なる負の揚力が発生することを本解析により再現し,球表面境界層の乱流遷移と剥離の観点からその発生機構の物理メカニズムを解明した. その他,工学的問題への適用を考慮して,より実用的な自動車周りの流れに対してその有用性の検討を行った.
|