2010 Fiscal Year Annual Research Report
対向円形噴流における揺動機構の解明とDNS/PDF法による数値解析
Project/Area Number |
20560152
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
角田 博之 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (10207433)
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Keywords | 流体工学 / 乱流 / 拡散 / 可視化 / 計算物理 |
Research Abstract |
本研究は,対向噴流に特有な噴流揺動の発生機構を解明し,その混合促進機構を明らかにすることを研究目的とする.このために,瞬時分離流線の不規則変動と噴流軸の半径方向揺らぎとの関連を実験的に調べ,また,実験と平行して数値解析を行い揺動機構の解明に役立てる.このために,まず,速度と噴流断面濃度場の同時計測システムの完成を目指して研究を進め,対向噴流場に実際に適用した.数値解析については数値解析コードの三次元流れ解析への拡張を行った.その結果,本年度は以下の研究実績が得られた. 1. 瞬時分離流線と断面濃度場の同時計測 第二年度に完成させた速度場・濃度場の計測システムを用いて,対向噴流における同一断面の速度場と濃度場の完全同時計測を行い,得られた結果を国際会議で発表するとともに,国内雑誌に投稿し掲載された.この実験の結果対向噴流における強い混合効果の特性が明らかとなった.また,対向噴流の揺動機構の解明を目指して,軸対称面における速度場と軸に垂直な断面における濃度場の計測を行った.その際,時間相関解析を行うために,両者の測定に時間遅れを設けた.今後データ解析をさらに進め,速度場の瞬時分離流線と瞬時断面濃度場の重心との相関を調べることにより研究目的である揺動機構の解明を目指していく予定である. 2. 対向噴流の数値解析モデルの確立 第二年度に完成させたナビアストークス方程式の数値解析コードは二次元流れ計算を対象としていたため,三次元流れ解析への拡張を行った.計算速度の向上を図るため,連立方程式の数値解法にはマルチグリッド法と共益勾配法を併用し,計算コードの並列化を行った.その結果計算速度が劇的に向上し,性能がやや劣る現有設備の計算機を用いての三次元流れ解析が可能となったこの結果は国内会議において発表予定である.今後,境界条件を工夫し,対向噴流の流れ解析に本コードを適用し,数値解析モデルの確立に役立てる.
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Research Products
(4 results)