2008 Fiscal Year Annual Research Report
拡散係数が動粘性係数より小さい場合の乱流微小スケールでのスカラー変動計測
Project/Area Number |
20560156
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
牛島 達夫 Nagoya Institute of Technology, 大学院・工学研究科, 助教 (50314076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鬼頭 修己 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10093022)
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Keywords | 流体工学 / 乱流 / 混合 / シュミット数 |
Research Abstract |
拡散係数が動粘性係数より大きい場合の濃度の乱流混合機構を実験的に解明するために,平成20年度は(1)一定濃度勾配発生装置の設計製作,(2)ラインスキャンカメラによる高時間高空間分解の濃度測定装置の設計製作を計画し,以下のような結果を得た. (1)当初,濃度は実験装置内に設定した固定格子に設置した多数の注射針から濃度を一様に投入する予定であったが,濃度の一様分布が得られないことが判明したため,乱流生成用の振動格子と容器の壁の間に,新たに濃度供給装置を取り付けることに変更することにより,定常で一定の濃度勾配生成を実現した.粒子画像計測法から得られた乱流特性などから,生成された濃度勾配が乱流混合によって生成していることが確認された. (2)濃度変動の測定法にはレーザ誘起蛍光法を採用した.実験に用いたローダミンの濃度とレーザ蛍光強度の間の関係を予め校正しておき,レーザ蛍光強度から濃度を計測した.ラインスキャンカメラによる濃度計測の前段として,より感度のよい一点計測を光電子増倍管を用いて行った.濃度変動の時系列から,濃度変動が乱流渦による移流によって生じていることを示唆する結果が得られた.これについては,平成21年度に開催される国内の会議で口頭発表する予定である.ラインスキャンカメラによる測定では,それぞれの画像素子の感度が光電子増倍管に比べて低いため,ノイズが大きな問題となり,現時点では有意なデータを得られなかった.これに関しては,光源の増強,画像素子の感度増強,濃度の増加および露光時間の増加(但し,時間分解が低下する)などについて検討し対処する.
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