Research Abstract |
初年度は,大きな質量比(∝柔軟体密度/流体密度)での調査を目的として超音速流に関する実験を行なった.流れの澱み点状態は,標準大気,柔軟体の幅10mmと熱さ0.5mmは固定した.そして,マッハ数として2.1, 2.4, 2.8の3種類を,柔軟体の長さとして8mm〜22mmの間を1mm間隔を実験パラメータとした.柔軟体の流れ中での挙動を高速ビデオカメラで撮影し,そのビデオ画像を解析することにより,フラッタ限界,振動数,振幅,振動モードを定量的に調べた.またレーザー変位計に依る弾性体変位計測を併せて行なうことで,フラッタ限界,振動数,振幅の定量データの信頼性を確保した. その結果,柔軟体の長さが短いとフラッタは発生せず,ある長さより長くなるとフラッタが発生すること,即ち,長さに関してフラッタ限界が存在することが判明した.また長さが長くなると振動数が減少した.そして,マッハ数が増加するとフラッタ限界が増加すること,周波数は減少することが分かった.一方,無次元長さであるレイノルズ数を用いると,フラッタ限界レイノルズ数はマッハ数に依らずほぼ一定であった.一方,無次元振動数であるストロハル数を用いると,レイノルズ数の増加に伴って,ストロハル数は増加した.またマッハ数が大きくなると,ストロハル数は減少した.無次元振動数として,真空中の1次モードの振動数で無次元化すると,マッハ数に依存せずほぼ同一の振動数となった.その時,振動数は真空中の2次モードの振動数より大きく,レイノルズ数に対して直線的に増加し,ついには真空中の3次モードの振動数より大きくなった.ただし,全体を通して,ビデオ画像ではほぼ1次モードのままであった.後縁振幅は,長さが長くなるとほぼ直線的に大きくなるが,マッハ数の依存性はほとんど見られなかった.
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