2009 Fiscal Year Annual Research Report
気泡(マイクロバブル)を含む2次元・3次元後流中の渦構造とカオス・乱流遷移
Project/Area Number |
20560161
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
柳瀬 眞一郎 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (20135958)
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Keywords | 円柱後流 / カルマン渦列 / 安定性 / ポアンカレ断面 / マイクロバブル / 抵抗低減 |
Research Abstract |
カルマン渦列のとして,2元流に限定し,スペクトル展開を行い定常解の解の分岐を調べ,その性と非定常解の行動を研究した.流入・流出のある流れに対しては通常Sommerfeldの放射条件を用いるが,任意性が強く,基本的な研究のためには適当でない.そこで本研究では流れ場を適当な関数によって有限領域へと変換し,その領域で通常用いられるChebyshev多項式による展開に代わってLegendre多項式による展開を用い,任意性の強い流入・流出条件の導入を避けることができた.振動解としてのカルマン渦列の不安定性をポアンカレ断面の不動点計算とGMRes法を組み合わせた方法を用いて前年度よりさらに詳細に解析した結果,レイノルズ数が258で不安定化することが明らかとなった. 一方,マイクロバブル流の研究として本年度は熱伝導に対するマイクロバブルの影響を実験的に調べた.マイクロバブルは対向型旋回式発生装置で作り,それを3種類のヘリカル形状のパイプへと導いた.気泡径の計測では全体の90%以上の気泡が100μm以下の気泡となりマイクロバブルの発生が確認された.平均気泡径50.3μm, 47.8μm, 49.7μm, それぞれのボイド率はa=0.09%, 0.17%, 0.25%となり,この範囲で実験を行った.熱伝達低減率の最大値はcoil1(曲率d=0.018)で22.12%, Coi12(d=0.027)で19.3%,Coi13(d=0.45)で14.93%となりボイド率が最大のa=0.25%で最大となった.曲率が小さいほど熱伝達低減率は大きくなっており,これは二次流れによるマイクロバブルの管内での分布に偏心が起きることによって引き起こされる.熱伝達低減率は抵抗低減率よりも大きく,これらは抵抗低減率が乱流速度成分の軸方向速度成分と軸に垂直な速度成分の両方に依存するのに対して,熱伝達低減率が軸に垂直な速度成分のみに依存しており,マイクロバブルによって軸に垂直な方向の速度成分が抑えられるために熱伝達低減率は大きくなったと考えられる.この結果から,マイクロバブルと二次流の相互作用を深く理解することができた.
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Research Products
(4 results)