2010 Fiscal Year Annual Research Report
気泡(マイクロバブル)を含む2次元・3次元後流中の渦構造とカオス・乱流遷移
Project/Area Number |
20560161
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
柳瀬 眞一郎 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (20135958)
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Keywords | 円柱後流 / カルマン渦列 / 安定性 / ポアンカレ断面 / マイクロバブル / 抵抗低減 |
Research Abstract |
1.マイクロバブルを混入した流体の円管内での運動の高精度計測 微細電極を用いた水素気泡法によるマイクロバブル発生装置を新たに製作した。これらの新規装置を用いて,高強度のレーザーと高速度ビデオカメラによる計測を行うことにより,層流乱流遷移域における円管内流の様子を明らかにした。具体的な研究成果は以下の通りである。第一に気泡径を一定に保ったまま円管の直径を変えると、円管内の流れの様子が劇的に変わることが明らかとなった。気泡を含まない流体の場合には(円管の直径と、流れの平均流速、流体の動粘性係数で定義される)レイノルズ数が約3000以上で円管内に乱流が維持されることが古くから知られているが,マイクロバブルを混入すると,比較的細い管を用いた場合には通常の流体と比べてより大きなレイノルズ数においても乱流が維持されず円管内の流れは層流になりやすいことが示された。一方,比較的太い円管を用いると,逆に通常の流体と比べてより小さいレイノルズ数でも乱流を維持できることが実験的に示された。 2、Force Coupling Methodを用いたマイクロバブル流の数値解析 2次元一様等方乱流中に多数の気泡を混入させた混相流をスペクトル法を用いて計算した。その結果,低波数領域(大スケール)では乱流のエネルギーが減少し,気泡直径と同じ程度のスケールでは増加することが確認された。一方,流体よりも密度の大きな粒子を混入させた場合は低波数領域で乱流エネルギーが増加するという対照的な振る舞いが見られた。 3.気泡を含まない3次元後流の数値的研究 数値計算によって球を通過する3次元後流のカオス化を調べた。平成21年度に得られた気泡を含まない3次元後流の数値計算コードを基にして計算を実行した。スペクトル法の精度を高めるために展開関数を工夫し,より少ない展開項数で精度の高い計算が可能となった。
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