2010 Fiscal Year Annual Research Report
電場印加により誘起されるマイクロジェットの形成機構解明
Project/Area Number |
20560164
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
小原 弘道 首都大学東京, 理工学研究科, 助教 (80305424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田代 伸一 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (30149356)
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Keywords | マイクロ流れ / 粒子分散型機能性流体 / マイクロ流体デバイス / 微細加工 / CFD / ダイヤモンド / マイクロミキサ / ナノ加工 |
Research Abstract |
電場誘起マイクロジェットとは,積極的に局所制御可能な流動場を形成することが可能な電場印加により電極近傍に形成されるマイクロスケールの流動構造である.この電場誘起マイクロジェットは,次世代の医療に有用なマイクロ流体システムにおいて必要不可欠な混合・反応・分離・分析などの新しいマイクロ流体デバイスの創出への利用や,流動場においてナノチューブなどのナノ素材を自在に操作し新しい機能構造を創製するためのナノファブリケーションの基盤環境として活用など,様々な分野での利用が期待される.本研究では,この電場誘起マイクロジェットの形成機構解明のために,マイクロPIV/PTV計測による実験による取り組み,CFDと電場印加による粒子駆動を複合的にモデル化した数値解析による取り組みをあわせて実施した.マイクロPIV/PTV計測においては,電極近傍域に着目し電場条件,粒子条件などから電場誘起マイクロジェット形成条件を明らかにし,また電場誘起マイクロジェットの流動構造を評価した.また,CFDと電場印加による粒子駆動を複合的にモデル化した数値解析においては,粒子はラグランジェ的に追跡し,オイラー的に解析する流体情報を相互にカップリングさせるTwo-Way法を用いて解析を行った.これらの研究により以下の結果を得た.この流動は,交流電場印加を行うことで先鋭電極近傍に形成される.また,電場条件としては電気分解による効果と誘電泳動の効果の中間領域において形成されることを明らかにした.さらに,応用への展開のために複数電極による流動形成特性や電極形状の差異による流動構造変化を明らかにし,安定したマイクロジェット形成のための条件を明らかにしたこの流動を積極的に活用することで,医療デバイスや微細加工技術などの様々な応用に向けた研究が進められると考えられる
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