2010 Fiscal Year Annual Research Report
ディスク型SOFC用平行円板流路内のガス流動制御に関する研究
Project/Area Number |
20560169
|
Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
角田 和巳 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (70255644)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末包 哲也 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (30262314)
|
Keywords | 固体酸化物形燃料電池 / ディスク型SOFC / 円板間流れ / 旋回流れ / 粒子画像流速計 / 低レイノルズ数流 |
Research Abstract |
固体酸化物形燃料電池(SOFC)の一種であるディスク型SOFCの流路を想定し,平行円板間に生じるガス流動の計測と流動場の最適化を行った.SOFCに供給される空気および燃料は,電気化学反応を伴う高温場の影響を受けながらセル内を流動するため,実際の運転条件下で流動状態の詳細を計測することは困難である.したがって本研究では,実機と同一スケールの流路を作製して力学的に相似な低レイノルズ数の流れ場を再現し,適切な熱管理と発電効率向上を達成する上で不可欠な流れ場の一様化について実証した.流れ場の計測には粒子画像流速計(PIV)を適用し,円板に平行な面内の速度ベクトルを異なる流量のもとで取得した. ディスク型流路は拡大流路であるため,円板間流れは減速流れとなり,このままでは速度場の一様性を満足することはできないが,本研究ではセルの構成要素である集電体の形状にインボリュート曲線を採用することで,円板間に等断面流路を形成し,速度場の一様性を大きく改善することに成功した.特に,インフローからアウトフローへの反転流が利用される上下二段構造の空気流路においてもインボリュート形状の流路分割が有効であり,上段流路のインフローと下段流路のアウトフローとの旋回方向を逆向きにすることにより,速度場の一様化が促進されることを明らかにした.また,本研究で提案した流路構造を採用すれば流路サイズも小型化できるため,流路体積の有効活用を図ることが期待される.さらに,このときPIVで計測した速度場を用いることで,Navier-Stokes方程式の各項が流体運動に及ぼす影響を定量的に評価した.これにより,インボリュート曲線に沿う円板間流れの運動状態を力学的に説明することに成功した. 実験と同じ形状のディスク型流路に対して行った数値シミュレーションでは,インボリュート曲線の集電体による流れの一様化とともに,流路内の温度差も減少することが示され,本手法の有効性が示された.
|
Research Products
(3 results)