2009 Fiscal Year Annual Research Report
軸流圧縮機の過渡失速特性と能動失速制御法に関する衝撃波管実験と数値解析研究
Project/Area Number |
20560171
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
太田 有 Waseda University, 理工学術院, 教授 (50211793)
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Keywords | 軸流圧縮機 / 旋回失速 / サージング / 衝撃波管 / 発生騒音 |
Research Abstract |
軸流圧縮機出口に直列に容積タンクを接続した過渡応答実験用三段圧縮機を用いて,失速過渡特性ならびにサージングとの共存系の非定常挙動に関する詳細な計測実験を行った.多段機特有の段階的な失速特性を有する圧縮機では,その失速特性に伴いサージングの発生周波数も不規則に変化する.動作点を種々に変化させて圧縮機後方から圧力波を印加する過渡応答実験を種々のパラメータ(流量係数,スタッガ角など)で実施することで,サージング挙動,特にサージ周期が併発する失速セルの状態に大きく依存していることが明らかになった.サージングと旋回失速との共存系では,失速域を動作点が通過する際に,動翼列内に失速セルが旋回する傾向が認められ,サージング周期に伴い発生と消滅を連続的に繰り返す.また,動作点の違いによって,サージング軌道が異なるため,動翼列を旋回するセルの挙動も大きく異なる.特に,サージング周期が不規則に変化する不安定な運転状態においては,三段動翼に発生する失速セルの強さが密接に関連し,セル構造が弱体化して圧縮機流量が増大することで,小さいサージング周期から大きい周期へと変化することがわかった.これは周波数一時間解析を用いた可視化によっても明らかとなった.つまり,従来より系全体の大局的な振る舞いであると考えられてきたサージングに関しても,失速セルのような局所的な流れ構造が密接に関連していることが明らかとなった.さらに,圧縮波を印加して系に擾乱を与えることで,特性曲線上の右上がり安定領域で運転中の圧縮機であっても瞬時にサージング状態に陥ることや,発生したサージング挙動が通常のサージング挙動とは異なること,さらにはサージング軌道によって動作点が軌道上を移動する速度が微妙に異なることなど,幾つもの新たな知見を得ることができた.
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Research Products
(7 results)