2010 Fiscal Year Annual Research Report
高濃度パルプ繊維の分散評価技術の開発と分散流路内流れの繊維挙動
Project/Area Number |
20560173
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
角田 勝 近畿大学, 工学部, 教授 (60113403)
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Keywords | パルプ液流れ / 繊維濃度 / 抄紙機 / 混相流 / 後流 / ヘッドボックス |
Research Abstract |
地球温暖化防止に関する京都議定書により製紙業界に課せられているエネルギー削減を図るために、高濃度抄紙技術に関する研究を行った。すなわち、実機抄紙機では流路に平板が挿入されてパルプ液の分散が図られ、またそのすぐ下流では縮流されてシート状に噴出されていることから、平行流路および縮流流路に分散板を挿入した場合についてパルプ繊維濃度の流れ方向(流路軸方向)の変化や濃度むらの度合いを調査した。ここで、分散板の後縁形状には、後縁を直角に切り落としてはく離せん断層を形成しやすい単純平板と、実機に使用されているテーパのついた整形板を取り上げている。パルプ繊維濃度の測定には平成20年度に申請者が開発した評価技術を用い、濃度の時間平均分布や乱れの強さの分布を求めた。また、基本形状である平行流路内の単純平板後流については、超音波流速計と高精度ハイスピードPIVシステムを併用して流れの速度分布を求めた。その結果、分散板後流のパルプ繊維挙動について、以下の知見を得た。(i)低流速の場合、平板分割流路内でフロック状となって分散部に流入したパルプ液は、後縁部で濃度の低いよどみ領域を作る。(ii)流速が増すと、後端部の低濃度流体は筋状に流れ出すようになる。(iii)さらに流速が大きくなると、明瞭なカルマン渦列が形成されて濃度変動が大きくなる。(iv)高流速では乱れが発生して繊維は分散化する。また、後端から発生する渦列については、流路を絞ることによってもその発生を抑制することは難しいが、流路内での整流化作用はテーパ整形板で期待できることを示した。 以上、これらの成果は、当初掲げた平成22年度の目標を概ね達成している。
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Research Products
(3 results)