2010 Fiscal Year Annual Research Report
固体微粒子添加による自励振動ヒートパイプの性能向上と熱輸送機構の解明
Project/Area Number |
20560180
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
長崎 孝夫 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 准教授 (30155923)
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Keywords | ヒートパイプ / 自励振動 |
Research Abstract |
固体微粒子添加による自励振動ヒートパイプ(PHPと略記)の性能向上を図るため,外径3mm,内径2mmの銅管を用いた12ターンのループ型PHPを用いて実験を行った。加熱部,断熱部,冷却部長さはそれぞれ50mm, 100mm, 50mmとし,銅管をUベンド加工することにより蛇行流路を形成した。6ターンの蛇行管2つを半ピッチずらして加熱板および冷却板に取り付け、2つの蛇行管を両端部で連結することにより、一方向循環流が発生可能なループ型とした。固体微粒子としてアルミナ(10μmおよび0.6μm)、銅(20μmおよび10μm)を用い、加熱量は最大1000Wとし、昨年度の水を用いた水平設置の実験に続き、設置姿勢(鉛直ボトムヒート、トップヒート)および作動媒体の種類(エタノール、R141b)の影響を調べた。その結果、ボトムヒート、水平、トップヒートの順に性能が優れ、低沸点のR141bおよびエタノールの方が、また加熱量の大きい場合の方が設置姿勢の影響が少ないこと、いずれの設置姿勢においても固体微粒子添加により性能が向上することが分かった。作動媒体の種類の影響として、低加熱量域では低沸点媒体の方が性能が優れ、高加熱量域では水の方が性能が優れること、また作動媒体がR141bの場合、特に高加熱領域およびトップヒートの場合に固体微粒子添加による性能向上効果が大きいことが分かった。以上の銅管製PHPの実験に加え,両端部を加熱,中央部を冷却した直線矩形流路中の1個の液柱の自励振動につき数値解析を行い、昨年度に行った実験結果と比較した。解析において実験観察をもとに液柱の往復振動に伴って壁面に残留する液膜を考慮したモデル化を行い、この残留液膜の蒸発・凝縮により液柱の自励振動が計算で再現できることが分かった。
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Research Products
(1 results)