2008 Fiscal Year Annual Research Report
過熱面上に発生する局所的固液接触の限定抑制機構の解明(可視化計測と数値解析)
Project/Area Number |
20560184
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
永井 二郎 University of Fukui, 大学院・工学研究科, 准教授 (70251981)
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Keywords | 熱工学 / 可視化 / モデル化 / 沸騰冷却 / 固液接触 |
Research Abstract |
本研究では、過熱面上に発生する局所的固液接触の限定抑制機構に関して、固体側(過熱面)と液体側(固液接触界面とバルク液体)の連成機構を検討し、局所的固液接触が濡れ面or乾燥面になるかの臨界条件を物理的に把握することを目的として、落下液滴蒸発系を対象に可視化計測実験と数値解析を行う。その内、本年度は可視化計測実験を行った。 透明な単結晶サファイア板(50×50×5mm)を過熱面、水または低沸点冷媒を試験液とし、過熱面上に落下する液滴の固液接触状況を裏側から高速度ビデオにより可視化・画像計測する装置を製作した。計測項目は、局所的固液接触領域の等価直径dの時間変化であり、初期表面温度Twiと液滴衝突速度uと固液接触様相推移の関連を把握する。可視化原理は光の全反射を利用する。すなわち、乾燥面上では全反射するが固液接触領域では透過するよう光の入射角を調整すると、高速度ビデオ側では乾燥面は明部、固液接触領域は暗部で撮影される。過熱面裏側に透明熱媒体油を接触させ、裏面で全反射が起きないようにする。過熱面に単結晶サファイア板を用いるのは、透明であり高熱伝導性(λ=42W/(m・K))を有するからである。その結果、初期表面温度が高くなる程、液滴衝突速度が小さくなる程、固液接触領域直径dは小さくなることが分かった。ある初期表面温度において、dは接触後に拡大→極大→縮小といった経過をたどる。その極大値dmaxは、初期表面温度Twの増大に伴い減少し、270℃で急減少した。また、dmaxは液滴衝突速度uの増大に伴い、比例的に増加した。これらの成果は、次年度で行う数値解析プログラムの構築・検証に用いることができる。
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Research Products
(2 results)