2009 Fiscal Year Annual Research Report
過熱面上に発生する局所的固液接触の限定抑制機構の解明(可視化計測と数値解析)
Project/Area Number |
20560184
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
永井 二郎 University of Fukui, 大学院・工学研究科, 准教授 (70251981)
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Keywords | 熱工学 / 可視化 / モデル化 / 沸騰冷却 / 固液接触 |
Research Abstract |
過熱面上に発生する局所的固液接触の限定抑制機構(特に、濡れ面移行の臨界条件)解明を最終目的とし、本年度は、落下液滴蒸発系を対象に可視化計測実験の追加と数値解析プログラムを作成した。 可視化計測では、透明導電性薄膜(ITO膜)を蒸着した透明な単結晶サファイア板を過熱面、水および低沸点冷媒(HFE-7100)を試験液とし、過熱面上に落下する液滴の固液接触状況を裏側・側面から高速度ビデオにより可視化・画像計測した。昨年度までに、初期固体表面温度T_wiと液滴衝突速度uを変化させた実験を行った。本年度は、これらパラメータに加えて、液滴温度T_L、液滴直径d_L、液滴衝突時間間隔Δtを変化させた。計測項目は、局所的固液接触領域の等価直径d・発泡点数密度Nの時間変化である。連続的に液滴を衝突させた場合、衝突速度uの増大に伴い、接触領域等価直径dの時間変動に大きな違いが生じることが分かった。また、液滴落下時間間隔がΔt=0.5~1.5sの範囲内では、接触領域等価直径d(特に最大直径d_<max>)に大きな変化は見られなかった。これらは、固液接触期間中の伝熱量の違いに起因すると思われ、後述の数値解析結果と連動する。なお、発泡点数密度Nは10^6個/m^2であり、各パラメータが及ぼす影響を定性的に把握した。 数値解析に関して、固液接触発生ポイントを中心とした円筒座標系での軸対称2次元・非定常熱伝導プログラムを作成した。固液接触界面の条件は、相変化無し(発泡無し)と簡略化し、可視化計測で得られた固液接触領域等価直径dの時間変化のデータを境界条件として用いた。液滴落下時間間隔Δtと初期表面温度T_<wi>等を変化させて計算を行った結果、Δt=1sのオーダーでは表面温度に大きな減少傾向は無く、Δt=10msオーダーで初めて表面温度が減少することを確認した。本プログラムは、次年度、発泡有りの条件に改良する予定である。
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Research Products
(3 results)