2010 Fiscal Year Annual Research Report
過熱面上に発生する局所的固液接触の限定抑制機構の解明(可視化計測と数値解析)
Project/Area Number |
20560184
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
永井 二郎 福井大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70251981)
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Keywords | 熱工学 / 沸騰冷却 / モデル化 / 数値解析 / 固液接触 / 可視化 |
Research Abstract |
過熱面上に発生する局所的固液接触の限定抑制機構(特に、濡れ面移行の臨界条件)解明を最終目的とし、本年度は最終年度として、落下液滴蒸発系の数値解析を行った。 昨年度には、過熱面上の固液接触発生ポイントを中心とした円筒座標系での軸対称2次元・非定常熱伝導プログラムを作成した。第一段階として、固液接触界面の境界条件は、相変化無し(発泡無し)と簡略化していた。本年度はそれを発展させ、円筒座標系3次元非定常熱伝導プログラムを構築した。局所的固液接触の大きさとその内部の発泡点数は、昨年度までに可視化実験で得られた実験値をそのまま用い、数値解析の境界条件とした。三相界線での熱伝達率はLabuntsovの経験式を用いて評価し、固液接触面内の熱伝達率は、2つの半無限固体接触時の非定常熱伝導理論式により評価した。固体面材質は可視化実験で用いた単結晶サファイア以外に、銅・アルミ・ステンレス鋼・石英ガラス等でも計算を行い、液体は可視化実験で用いた水とHFE-7100について計算した。 その結果、局所的固液接触が間欠的に発生する場合の表面局所温度変動・分布を計算することが出来た。その表面局所温度変動に、様々なパラメーター(固体面材質、液体種類、液温、液滴落下高さ、液滴落下時間間隔)が及ぼす影響を数値解析により明らかにした。さらに、乾燥面が濡れ面へ移行する臨界条件として、表面中心温度が水のMHF点温度を下回るかどうかで判別することにより、様々なパラメーターが変化した場合の濡れ面移行の臨界条件を示すマップ図を作成することに成功した。本プログラムは今後、発泡点(乾燥面)の拡大や表面酸化膜の影響考慮等の改良を施し、計算対象を衝突噴流系に拡張する予定である。
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Research Products
(4 results)