2010 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノファイバー混合水の凍結促進効果を用いた氷蓄熱システムの高効率化
Project/Area Number |
20560185
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
平田 哲夫 信州大学, 工学部, 教授 (40126701)
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Keywords | 熱工学 / 凍結 / ナノファイバー / 氷畜熱 |
Research Abstract |
矩形容器内(100×100×50mm^3)にカーボンナノファイバー(CNF)混合氷を充填し,垂直壁の片面を0℃に保ち,他の垂直面を20℃又は30℃に加熱して自然対流による融解実験を行った.充填した氷のCNF濃度は0.15~4.4wt%の範囲で変化させ,融解量に及ぼすCNF濃度の影響を調べた.また,融解水はCNF混合水となるために,その粘性が真水の値とは異なることが考えられ,自然対流の強さに影響を及ぼす可能性がある.そのため,CNF混合水の動粘性係数を測定し,融解熱伝達に与える影響を考察した.その結果,以下のことが明らかとなった. 1. CNF混合氷を融解したCNF混合水の見かけの粘性係数は真水の値より大きく,非ニュートン流体の性質を有する.また,CNF濃度が大きくなると,見かけの粘性係数も大きくなる. 2. CNF濃度が大きくなると見かけの粘性変化の影響を受け,自然対流が起きにくくなるため熱伝達率が小さくなり融解量が減少する.一方,CNF濃度が大きくなると融解液の見かけの熱伝導率が大きくなり,融解量が増加することが考えられるが,本実験範囲では,自然対流熱伝達に対する影響のほうが大きい. 3. 加熱面温度を高くすると,CNF混合水の見かけの粘性係数増加の影響は小さくなり,自然対流熱伝達が大きくなり,加熱面温度が低い場合に比べて融解量は増加する. 4. 氷蓄熱システムにCNF混合水を用いる場合,凍結過程ではCNFの高熱伝導性を活かすために高濃度とするのがよいが,融解過程ではCNF混合水の見かけの粘性が増加するため高濃度とすると融解熱伝達が減少する。したがって,凍結過程と融解過程の双方を考慮した適切なCNF濃度が存在する.
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Research Products
(2 results)