2008 Fiscal Year Annual Research Report
地球観測画像を利用した局地気象予測における多孔質概念の導入
Project/Area Number |
20560187
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
桑原 不二朗 Shizuoka University, 工学部, 准教授 (70215119)
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Keywords | 多孔質体 / 局地気象予測 / 地球観測衛星 / 植生分類 / ヒートアイランド現象 / 都市型集中豪雨 |
Research Abstract |
地表面構造物による、局地気象現象を予測する上で、地表面構造を多孔質体として取り扱うことで、局所気象現象の直接的な数値シミュレーションが可能となる。 コンピュータ内に局地的地形、地表面構造を再構築するため、地表面構造を地球観測衛星ALOSの地表面画像データを用い分類し、流動抵抗などの巨視的パラメータを設定した。本年度は、都市部と植生群の共存する中部地方、愛知周辺に注目し、植生分類を実施した。海、湖及び水田など流動抵抗の小さな部分を分類後、植生を分類し、流動抵抗の異なる多孔質体として取り扱う。また、都市部においても高層、中層、低層の各種建造物とその密集度を画像解析により分類を試みた。様々な分類アルゴリズムを駆使し詳細な分類を実施した。 各分類法の適正及び精度を確認し、さらに新たな分類アルゴリズム構築に向け、実際の地表構造物の状況についても、GPSを用い実地調査を実施した。低層部住宅群の気孔率は、建築基準法の建蔽率によりある程度予測可能であること、道路群の存在により二重多孔質体としての取り扱いを検討する必要があること、高層ビル群の高さはブロックごとほぼ統一される傾向があることなどの成果を得た。 また、巨視的数値シミュレーションとして、地表面に発熱するビル群である多孔質体が置かれた二次元流路内温度・速度予測を行いビル群下流の循環渦の存在を明らかにした。
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