2009 Fiscal Year Annual Research Report
地球観測画像を利用した局地気象予測における多孔質概念の導入
Project/Area Number |
20560187
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
桑原 不二朗 Shizuoka University, 工学部, 准教授 (70215119)
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Keywords | 多孔質体概念 / リモートセンシング / 局地気象 / 気孔率 / 透過率 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
地球観測衛星画像に対し画像解析を実施し、森、住宅部、平地、河川・海に分類した。それぞれの分類に対し、その構造体の大きさ、気孔率を設定し、その地表構造物群の透過率を決定した。これら地表構造物を構造の高さに合わせ3次元シミュレーションを実施することは可能であるが、多くの計算時間を有し、局地的気象現象の予測に適さない。そこで、それらの構造が地表からどの高さまでに存在するかを設定、高さ400m上空までの平均的透過率を数値シミュレーションにより求めることにより2次元計算による地表面付近の温度上昇を予測する手法を提案した。森については、丘を想定したシミュレーションも実施し、標高の影響についても検討した。求めた巨視的パラメータに基づき、高さ平均の温度・速度の巨視的予測を実施した。夏季の太平洋側に見られる典型的な局地風の例として、巨視的都市(愛知県中部)部南西から吹き込む暖かい風の影響を詳細に検討した。海上からの風は、住宅密集地でさらに加熱された後、北上するが丘を避け、より抵抗の少ない河川部においては加速される。その結果、一部地域(愛知県北東部~岐阜県多治見市付近)の温度上昇を示す結果を得た。本研究では、フェーンなどによる相変化を伴う上昇下降流に起因する温度上昇は加味しないものの、今後の研究によりこの高温部における上昇気流の発生が局地的豪雨につながることが予測されれば、比較的短時間で豪雨発生個所に対する対応が期待できる。
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Research Products
(4 results)