2010 Fiscal Year Annual Research Report
固気界面の熱輸送とディーゼル微粒子燃焼過程の連成解析
Project/Area Number |
20560188
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 和弘 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60283488)
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Keywords | シミュレーション / ディーゼル微粒子 / 格子ボルツマン法 / 熱伝導 / 後処理 |
Research Abstract |
近年,ディーゼル車の排気ガス中に含まれる粒子状物質(PM)の対策として,ディーゼル微粒子除去フィルター(DPF)が開発された.しかし,PMが捕集されると次第に排気圧力が増大して燃費が悪化し,最悪の場合エンジン停止に至る.そこで,捕集されたPMを焼却除去するフィルターの再生過程が必要であるが,内部の現象を計測することができないため,PMの吸着過程や吸着した粒子の燃焼過程が不明であった.本研究では,数値シミュレーションにより現象を予測し,フィルターの再生過程を直接検討することを目的とする.特に,フィルター(固相)と排気ガス(気相)を連成問題として扱うことにより現象を解析する新しい解析コードの開発を行った. 全体の研究期間は3年である.最終年度の平成22年度では実際のDPFを解析対象とし,より実用的な条件を考慮することで,ディーゼル車の運転条件に近い設定でシミュレーションを行った.温度や酸素濃度などを変えて多くの解析事例を蓄積し,ディーゼル排気ガスを後処理する際に必要な条件を明らかにすることができた.本研究により,実験と数値解析を融合させた効率的なフィルターの開発が可能となり,PM処理技術の今後の改善が期待できる.
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