2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560189
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
長谷川 達也 Nagoya University, エコトピア科学研究所, 教授 (40164818)
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Keywords | 新エネルギー / 熱工学 / バイオマス / 湿式燃焼 / 亜臨海水 |
Research Abstract |
亜臨界水中に溶解させたエタノールに対して微小気泡状態の酸化剤を供給して亜臨界室式燃焼を起こさせることを目的に、気泡発生用の金属メッシュフィルターを設置するなど、実験装置を改良した。また、メッシュの孔径、酸化剤の供給圧力や流量による気泡発生状態を検討するため、アクリル製の反応管を用いて、気泡の発生状態を可視化した。その結果、エタノール水溶液中に直径約1mmの微細な気泡を安定に発生させることのできる孔径、流量条件を見いだした。また発生条件をレイノルズ数とエトベス数を用いて気泡形状分類ダイヤグラム状で整理すると、球形気泡の発生条件に合致することが見いだされた。 次にステンレス製の反応管を用いて、酸素の微小気泡を発生させ、250℃においてエタノール水溶液との反応を試みた。しかし、気泡の滞在時間が短く、エタノール水溶液と酸化剤の接触拡散時間が短いため、反応による発熱の影響は見られなかった。そこで、球形金属を充填して、滞在時間を長くすることを試みたが、それでも発熱反応は見られなかった。一方、酸素の代わりに過酸化水素を酸化剤として用いた場合は、発熱反応が起きたことから、気泡を用いた亜臨界湿式燃焼は、本研究で実現した気泡よりもさらに微小な気泡を発生させないと困難であることがわかった。 湿式燃焼の数値シミュレーションについては、亜臨界水から超臨界水への遷移を表現できる状態方程式を用いた湿式燃焼の数値シミュレーションコードを完成させ,高圧亜臨界水中での実験で得られた反応速度を用いて亜臨界湿式燃焼による発熱反応の予測を行えることを示した。また本研究の成果はCombustion Theory and Modellingに掲載された。
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Research Products
(5 results)