2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560201
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
高橋 和夫 Sophia University, 理工学部, 准教授 (10241019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久世 信彦 上智大学, 理工学部, 講師 (80286757)
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Keywords | HCCI燃焼 / 衝撃波管 / 着火特性 / 着火誘導期 / 燃焼反応機構 / ヘプタン / イソオクタン / トルエン |
Research Abstract |
低燃費と低公害を両立させた環境調和型の次世代自動車エンジンとして,予混合圧縮着火(HCCI)燃焼が注目されている.しかし,HCCIエンジンでは自着火現象を利用するため,着火時期の制御が困難であることが,実用化を妨げる最大の課題となっている.この課題を克服するためには,広い温度・圧力・濃度範囲で着火時期を予知する技術の確立が必要であり,そのために15〜60気圧のHCCI燃焼条件下で適用可能な包括的な燃焼反応モデルの構築を目指す.研究初年度の本年度は,次の研究を実施した. 1.高圧化学衝撃波管の製作 まず最初に,耐圧100気圧の高圧衝撃波管を新たに製作した.1000K以下の低温で起こるHCCI着火反応を追跡するために,衝撃波の全長を長くして5ms程度の加熱持続時間を確保することに成功した. 2.単成分炭化水素燃料の高圧着火特性の実験的評価と反応モデルの構築 高圧衝撃波管を用いて,ガソリンの主成分であるヘプタン,イソオクタン及びトルエンの着火誘導期を測定した.さらに,既存の反応モデルを用いてシミュレーション計算を行い,実験結果と比較・検討した.その結果,既存の反応モデルは低圧では実験結果をよく再現できたものの,高圧では実測の着火時期を過大評価してしまった.次年度において反応モデルの改良を行う. 3.2成分炭化水素燃料の高圧着火特性の実験的評価と反応モデルの検証 上記炭化水素を混合した2成分燃料の高圧着火特性を調べたところ,単成分の炭化水素着火には見られなかった,極めて複雑な着火特性が認められた.この複雑な挙動は,単成分同士の反応モデルを単に重ね合わせたシミュレーション計算では再現することができなかった.これは燃焼反応の途中で生成する,ラジカルを主とする中間体同士の反応(Cross Reactions)の重要性を示唆しており,次年度詳しく検討を行う.
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Research Products
(6 results)