2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560201
|
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
高橋 和夫 上智大学, 理工学部, 准教授 (10241019)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久世 信彦 上智大学, 理工学部, 准教授 (80286757)
|
Keywords | HCCI燃焼 / 衝撃波管 / 着火特性 / 着火誘導期 / 燃焼反応機構 / ベンゼン / トルエン / 原子共鳴吸収分光法 |
Research Abstract |
低燃費と低公害を両立させた環境調和型の次世代自動車エンジンとして,予混合圧縮着火(HCCI)燃焼が注目されている。しかし,HCCIエンジンでは自着火現象を利用するため,着火時期の制御が困難であることが,実用化を妨げる最大の課題となっている。この課題を克服するためには,幅広い実験条件で着火時期を予知する技術の確立が必要であり,そのために15~60気圧のHCCI燃焼条件下で適用可能な包括的な燃焼反応モデルの構築を目指す。 過去3年間の研究では,高圧衝撃波管を新たに製作し,ガソリン成分の着火特性を最大60気圧まで測定して,反応モデル構築および改良に役立てた。その結果,ヘプタン,イソオクタン等の脂肪族炭化水素に関しては包括的燃焼反応モデルの構築に成功したものの,芳香族炭化水素については未だ不十分であった。そこで最終年度である本年度は,マクロ・ミクロ双方の研究手法を駆使して芳香族炭化水素の包括的燃焼反応モデル構築を目指した。 1.芳香族炭化水素における高圧着火特性の実験的評価(マクロ実験) 高圧衝撃波管を用いて,ベンゼンおよびトルエンの着火特性を幅広い温度・圧力・当量比範囲で実験的に調べ,これらの燃焼反応モデル改良のための基礎データを収集した。 2.芳香族炭化水素着火を支配する重要な反応の速度データの決定(ミクロ実験) 芳香族炭化水素着火を支配する律速反応やその他の鍵となる素反応の速度データの妥当性を実験的・理論的に評価した。実験面では原子共鳴吸収分光法を用いて素反応の速度データを直接測定するとともに,理論面では分子軌道計算を行い,反応モデル内の素反応速度データの検証を行った。 3.芳香族炭化水素の包括的燃焼反応モデル構築 上記のマクロ・ミクロ実験をもとに,圧力1~60気圧,当量比0.33~1というかなり広い条件で着火特性を再現できるベンゼン・トルエン燃焼反応モデル構築に成功した。
|
Research Products
(8 results)