2009 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ流路内を自励駆動する感温磁性流体の可視化と熱輸送特性に関する研究
Project/Area Number |
20560205
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Research Institution | Kushiro National College of Technology |
Principal Investigator |
麓 耕二 Kushiro National College of Technology, 機械工学科, 准教授 (50259785)
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Keywords | 感温磁性流体 / 熱輸送ディバイス / マイクロ流路 / ナノエマルション / 熱輸送特性 |
Research Abstract |
感温磁性流体を自励駆動させるマイクロ流路装置を透明アクリルにて製作し,可視化実験を行った.流路は,深さ500μm,幅3mmの矩形断面を有する密閉流路である.流路長は250mmである.主な結果としては,磁性流体の可視化実験により磁化の非平衡状態と温度差に起因する自励駆動を確認することができた.さらに磁場を付与させた領域の流動様相について詳細な観察を行った.その結果,磁場付与部(加熱部近傍)において,マイクロ流路壁面の近傍で流速分布が大きくなるという特異な速度分布を形成することが分かった.また特異な流動様相によって,熱伝達率の上昇が見込まれるため,高い排熱効果が期待できることを伝熱工学的に明らかにした. 一方,当初の研究実施予定であった磁性流体内へ混入する相変化物質について基礎的資料を得た.その結果,相変化物質として非イオン系界面活性剤を利用したナノエマルションが適していることを明らかにした.実験では,テトラデカンを用いたナノエマルションの生成方法,およびエマルションの各種物性値測定を実施した.特にナノエマルションの粘度と粒子径の関係,および保持状態を変化させた時の長期安定性について検討を行った. さらに,次年度への継続的課題となったが,数値シミュレーションに関する検討を一部実施した.結果として磁性流体の磁化の温度依存性を考慮した熱流動シミュレーションにおいて,流れをラグランジェ的に表現することが可能な粒子法の利用が適当であることを確認した.
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