2010 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ流路内を自励駆動する感温磁性流体の可視化と熱輸送特性に関する研究
Project/Area Number |
20560205
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Research Institution | Kushiro National College of Technology |
Principal Investigator |
麓 耕二 弘前大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (50259785)
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Keywords | 感温磁性流体 / 熱輸送デバイス / ナノエマルション / 相変化蓄熱材 |
Research Abstract |
本申請課題の最終年度にあたり平成22年度は,当初予定していた通り,感温磁性流体による熱輸送量の増加を目的とした研究に従事した。具体的には,感温磁性流体内に相変化によって蓄熱および高い熱輸送が可能な流動性を有するエマルションを混入することによる熱輸送効率の向上を目的とした体系的な研究を行った。特に感温磁性流体中に混入することを目的としている相変化ナノエマルションの物性,およびその特性を把握する基礎的研究を行った。その結果,以下に示す通り,いくつかの研究成果を得る事が出来た。まず相変化ナノエマルションに関しては,アルカン系材料の一つであるテトラデカンを用いた全く新しい流動性を有する蓄熱材を生成する事ができた。またその相変化現象について比熱測定方法を用いて明らかするとともに,相変化蓄熱材としての利用が可能であることを示した。さらにナノエマルションの熱伝導率,粘度,および密度等の熱物性値を明らかにする事が出来た。以上の成果を踏まえると,ナノエマルションによるマイクロ蓄熱技術が新たなイノベーション技術として期待できる事が明らかになった。現時点においてナノエマルションを混入した感温磁性流体の製作には至っていないが,これまでの研究成果を集大成することにより,相変化ナノエマルションの潜熱輸送効果によって,さらなる熱輸送効率の向上が見込める事が示唆された。さらに粒子法を利用した感温磁性流体の流動特性の把握に関しては,現時点において継続テーマとして研究を続けている。
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Research Products
(8 results)