2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560209
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
石原 正 Fukushima University, 共生システム理工学類, 教授 (10134016)
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Keywords | 外乱利用型制御系 / 外乱消去型制御系 / ループ伝達関数回復手法 / 外乱オブザーバ / 積分型制御系 / 適合原理 / クリティカル制御系 |
Research Abstract |
1. 「外乱利用型制御系」の一種と見なせる「外乱消去型積分型制御系」に対する非標準的なループ伝達関数回復法による設計法の拡張に関する研究は予定通り進展し, 無駄時間系に対する成果を学術誌に公表した。また, この設計法の重要性を関係研究者に周知するために, 集中定数非最小位相系に対する非標準的なループ伝達関数回復手法に関する成果を再構成し, 国内での講演会で発表した。さらに, この設計法の実システムへの適用例を国際会議へ投稿中である。 2. 「外乱消去型積分型制御系」に対する非標準的なループ伝達関数回復法を利用した「クリティカル制御系」の2段階設計法に関する研究を国際会議で発表し, 関係研究者と意見交換を行った。発表後, 設計法をより一般的な外乱のクラスへ拡張し, 数値例を加えたものを国外の学術誌への投稿中である。投稿中の論文の数値例で示したように, この手法によれば, 従来の「クリティカル制御系」の設計で必要とされるパラメータ探索を大幅に簡略化することが可能となり, その実用上の意義は大きい。 3. 外乱利用型制御系では, 外乱推定器が重要な役割を演ずる. 通常, 外乱モデルと制御対象の合成系に対して推定器が構成されるが, 複雑な外乱モデルに対しては, 推定器の構造は複雑なものとなる. ある条件の下で, 簡単な構造の外乱および状態推定器を構成できることを明らかにしている。この手法に「適合原理」を適用することにより, 外乱に関する先験情報を利用できる新しい外乱推定器の構成を見出し, 国内の学術誌に投稿中である。この成果は「適合原理」の推定問題への応用として初めて提案されるものであり, 学術上の意義が大きい。
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