2008 Fiscal Year Annual Research Report
目標追従特性の指定が容易なシンプル繰返し補償器の設計法に関する研究
Project/Area Number |
20560210
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山田 功 Gunma University, 大学院・工学研究科, 教授 (20240012)
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Keywords | 制御 / 繰返し制御 / むだ時間 |
Research Abstract |
本研究では,従来の繰返し補償器が持つ問題点,すなわち暮れまでの修正繰返し補償器を用いると,たとえ制御対象にむだ時間を含んでいなかったとしても,周期目標入力から出力までの伝達関数が無限個の極を持ってしまい,目標追従特性の指定が困難であるという問題を解決することを目的とし,つぎの研究を行った. (1)周期目標入力から出力までの伝達関数が有限個の極しか持たない修正繰返し補償器のことを,シンプル繰返し補償器と呼び,定義を与えた.定義に基づき,制御系を安定化するシンプル繰返し補償器のすべてを求める問題,すなわち安定化シンプル繰返し補償器のパラメトリゼーションを明らかにした.安定化シンプル繰返し補償器のパラメトリゼーションを用いたときの制御特性を明らかにすることで,パラメトリゼーションに含まれる3つの自由パラメータの役割を明確にした.自由パラメータの役割をもとに,制御仕様を満たすよう3つの自由パラメータの設計法を与えた.数値例を示し,提案方法の有用性を検証した. (2)ロバスト安定化シンプル繰返し補償器の定義を与え,ロバスト安定化シンプル繰返し補償器のパラメトリゼーションを与えた. (3)周期目標入力から出力までの伝達関数が有限個の極しか持たない多重周期繰返し補償器のことを,シンプル多重周期繰返し補償器と呼び,定義を与えた.定義に基づき,制御系を安定化するシンプル多重周期繰返し補償器のすべてを求める問題,すなわち安定化多重周期シンプル繰返し補償器のパラメトリゼーションを明らかにした.安定化シンプル多重周期繰返し補償器のパラメトリゼーションを用いたときの制御特性を明らかにすることで,パラメトリゼーションに含まれる自由パラメータの役割を明確にした.自由パラメータの役割をもとに,制御仕様を満たすよう自由パラメータの設計法を与えた.数値例を示し,提案方法の有用性を検証した.
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Research Products
(6 results)