2008 Fiscal Year Annual Research Report
アクティブセーフティシステムのモデリングとアセスメント
Project/Area Number |
20560216
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
感本 広文 Toyohashi University of Technology, 工学部, 准教授 (20273328)
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Keywords | 運動力学 / アクティブデーフティ / 自動車 |
Research Abstract |
本研究はアクティブセーフティ技術の一つである被害軽減ブレーキ(CMB)の衝突速度低減効果を明らかにし,種々の事故形態に対してより効果的なCMBシステムの構築を目的とする.CMBはセンサによって衝突対象を検出し,衝突が避けられないと判断された場合に自動的にブレーキを作動させ,衝突被害を軽減しようとするシステムである.CMBの性能は,レーダ検知性能,衝突判断,ブレーキ制御ロジック等によって左右されるが,それらが衝突速度低減量に及ぼす影響は必ずしも明らかではない.また,CMBの効果は特定の事故形態(多くの場合.追突)に限定的であり.広範囲の事故形態への適用が望まれている.本研究はこのような状況に着目し, CMB構成要素が衝突速度低減効果に及ぼす影響を計算機シミュレーションによって定量的に明らかにし,従来に比べてより効果的で,広範の事故形態に対応できるCMBシステムの構築を目的とする. 平成20年度は計算機シミュレーション環境の構築を行った.本研究では基本的な諸量の入力で多様な車両の挙動を精度良く解析することができる剛体系運動理論に基づくシミュレーション環境を構築した.具体的には車両運動解析ソフトCarSimとMATLAB,Simulinkを組み合わせて使用し,車両運動シミュレーションにABS,レーダセンサーおよび被害軽減ブレーキの制御ロジックを追加した.構築したシミュレーション環境によって,直線路での2車両の衝突シミュレーションを行い,路面摩擦係数,TTC(Time To Collision)の影響を調べた.その結果,低摩擦路では十分な減速が得られないためTTCを長くとる必要があることがわかった.しかし,通常路面でTTCを長くとると衝突回避に至るケースが多く,状況に応じた設定が必要である.この点について引き続き検討を続けていく.
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