2009 Fiscal Year Annual Research Report
アクティブセーフティシステムのモデリングとアセスメント
Project/Area Number |
20560216
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
感本 広文 Toyohashi University of Technology, 工学部, 准教授 (20273328)
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Keywords | 運動力学 / アクティブセーフティー / 自動車 |
Research Abstract |
基本的事故形態である追突事故について事故の発生状況を把握するため,警察庁および交通事故総合分析センター発行の交通事故統計,マクロ事故データの調査を行った.また,被害軽減ブレーキのカーブ路衝突事故への展開を検討するため,カーブ路での車両事故発生状況について調べた.その結果,追突件数的には車速40~100km/hでの停止車への追突事故が多いが軽傷が多かった.一方,死亡事故件数で見ると出会い頭事故に次いで正面衝突が多かった.そして正面衝突事故に占めるカーブ路での事故の割合が高いことが分かった.そこでそれらを次のシミュレーション対象とした. 車両モデルには上級セダンの車両諸元を与えた.フロント中央にミリ波レーダーセンサを搭載した場合を想定し,検知距離150m,検知角度16°の範囲で障害物を検出させた.衝突までの残り時間が設定値(TTC : Time To Collision)を下回ると自動的にブレーキが作動する被害軽減ブレーキモデルを組み込んだ. カーブ半径60m~460mのカーブ路で,車速40km/h~100km/hの二車両の正面衝突シミュレーションを行った.その結果,カーブ半径が小さい場合に被害軽減ブレーキによる衝突速度低減量が低下することが分かった.これは,カーブの外側を走行する車両のレーダー検知範囲がカーブ外側を向くため,カーブ内側が死角となり,対向車の検出が遅れる事による.そして,この影響はカーブ半径が小さい場合や車両速度が高い場合に大きくなる事が分かった.すなわち,昨年度シミュレーションを行った直進路での追突事故では,主として自動ブレーキの開始タイミングであるTTCが重要な要素であったが,カーブ路正面衝突では,障害物の検知性能が自動ブレーキの効果に大きく影響する結果となった.
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