2009 Fiscal Year Annual Research Report
BTA深穴加工における振動発生メカニズムの解明と防止対策の検討
Project/Area Number |
20560219
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松崎 健一郎 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 准教授 (80264068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗和 伸行 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (40304753)
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Keywords | BTA / ライフリングマーク / パターン形成 / 自励振動 |
Research Abstract |
本研究課題は,BTA深穴加工におけるライフリングマーク発生現象を時間遅れによる自励振動としてモデル化し,発生メカニズムの解明と防止対策の検討を行うものである.本年度は,以下に示すような研究成果を得た. (1) 一般的なパターン形成現象では,固有振動数と運転回転数が特性根の安定性に密接に関連しているが,BTAにおけるライフリングマーク発生現象では,ガイドパッドの位置によって,運転回転数の全領域における平均的な安定度が変化する.このことから,ガイドパッドの位置を細かく変更して,運転回転数が小さい準静的な状態での安定度を解析することにより,ガイドパッド位置の影響を詳細に調べた.その結果,ガイドパッドが二つの場合,切削力を受けるというガイドパッドの本来の役割を考慮すると,安定度を向上させることは現実的に難しいことが分かった. (2) それぞれのガイドパッドを,微小幅のガイドパッドの集合体と考えることで,ガイドパッドの幅を考慮した場合の近似的な解析を行った.その結果,ガイドパッドの幅を広くすると平均的な安定度が向上すること,および安定度の向上は角形数が大きいパターンほど顕著であることが示された. (3) ガイドパッドの追加による防止対策について検討した.この場合も,ガイドパッドの配置によってその効果が大きく変化することと,その変化はパターンの波長とガイドパッド間の開き角に大きく関係していることが明らかになった.また,準静的な解析によって,ガイドパッドの位置と系の安定度を詳細に調べ,ガイドパッドの最適な配置について検討した. (4) 実際のBTA加工で行われているように,切削油によって切り屑を排出する簡易な機構を有する実験装置を検討した.現在,実験装置の試作を行っている.
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Research Products
(3 results)