2008 Fiscal Year Annual Research Report
粘弾性変形に起因した接触回転系のパターン形成現象の最適抑制技術に関する研究
Project/Area Number |
20560221
|
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
劉 孝宏 Oita University, 工学部, 准教授 (60230877)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 健一郎 九州大学, 工学研究院, 准教授 (80264068)
|
Keywords | 自励振動 / パターン形成 / 動吸振器 / 回転体の振動 / 抄紙機 / 粘弾性特性 |
Research Abstract |
抄紙機や繊維機械では,長時間の接触回転の結果,ロールや糸玉表面の粘弾性特性により周期的変形が生じて製品不良や寿命低下を引き起こす『パターン形成現象』が発生し問題となっている.このようなパターン形成現象の防止・遅延対策として,ロール回転数変動,外部減衰の付与,動吸振器の装着を検討した.その結果は以下のようにまとめられる. 1.抄紙機で使用されているものと同等のゴムを使用したゴム巻きロールを複数製作し,実験装置に装着して実験を行った,その結果,ロールゴム部の変形が徐々に成長し,安定的にパターン形成が成長することができた. 2.実験装置可動部の総質量の約5%に相当する動吸振器を製作した.汎用性を考え,可変剛性型動吸振器を採用した.質量比5%の動吸振器の固有振動数,減衰比を細かく変化させ,パターン形成現象の成長度合いを観察した.動吸振器の固有振動数や減衰比をある範囲に調整すると,パターン形成現象は全く発生しないことがわかった.つまり,パターン形成現象を抑制するための動吸振器には最適値が存在する. 3.実験装置をモデル化することにより,系を粘弾性変形に伴う時間遅れ系として理論解析を行った.解析結果から,パターン形成現象を防止できる動吸振器の最適な設計法について実験結果と定性的によい一致を示した. 4.実験から回転数変動と減衰付与もパターン形成防止の可能性があることがわかった. 以上の研究成果をD&D Conf.2008(東京)で発表した.
|