2010 Fiscal Year Annual Research Report
管群構造物における音響共鳴現象の発生メカニズムの解明と防止設計法への応用
Project/Area Number |
20560222
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
濱川 洋充 大分大学, 工学部, 准教授 (30243893)
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Keywords | 流体関連振動・騒音 / 音響共鳴現象 / 渦 / 管群 / フィン / 音響 |
Research Abstract |
発電所の大容量ボイラや排熱回収用ボイラなどの熱交換器では,試運転時に気柱共鳴現象が発生し,振動と騒音が問題になることがある.本研究は,本現象の発生メカニズムを解明し,正確な発生予測設計法を構築することを目的とする.本年度は,管群を構成するフィン付き管同士の干渉音の特性の解明と共鳴励起力の低減化手法の開発,さらに実機ボイラの相似模型を用いて,管群気柱共鳴時における渦放出同期化現象のモデリングと実験による検証を行った.その結果,以下の結論を得た. 1.レイノルズ数が大きいとき,セレイティッドフィン付き伝熱管の周りに螺旋状側板を設置すると,渦放出音のピークレベルが減少する.螺旋状側板には渦放出音を低下させる効果がある.しかしながら,螺旋状側板の直径が小さい場合には,低レイノルズ数では渦に因る速度変動の周期性が強まり,渦のスパン方向相関長さが増大する.直径の小さな螺旋状側版は低レイノルズ数時には使用しない方が良い. 2.主流速度が50m/s時において,単独円柱の表面に密なフィンを設置すると渦放出音の音圧レベルが裸管と比べ約16.7dB減少するが,2本のフィン付き円管を流れに直列に設置すると,流れ方向の管間の距離によって渦放出音のレベルが変化し,全体的に単管の場合よりも増加する.特に管中心間距離が等価直径の2.5-3倍では単管よりも10.7-11.7dB大きく,さらに4.0-6.8倍では単管よりも16.0-17.9dB大きくなる.音圧レベルは管中心間距離が等価直径の3.5倍のときに最も小さくなる. 3.渦放出の同期化に着目して気柱共鳴現象の発生しやすさの目安となるパラメータを提案した.実機ボイラの相似模型を用いて抗力方向の管ピッチ比が4.0,揚力方向が2.0の格子配列管群において,パラメータの検証を行ったところ,実験結果と傾向がほぼ一致することがわかった.
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Research Products
(15 results)