2010 Fiscal Year Annual Research Report
エアターンバーで支持されたウェブの自励振動発生メカニズム解明と制振デバイスの開発
Project/Area Number |
20560225
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
渡辺 昌宏 青山学院大学, 理工学部, 教授 (40256673)
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Keywords | ウェブ / 自励振動 / 流れ励起振動 / 流体構造連成 / エアターンバー |
Research Abstract |
前年度までの研究により得られた知見を基に,エアターンバー表面の空気の噴出しスリットの面積を能動的に変化させることでウェブに作用する変動空気力を制御し,自励振動を非接触で抑止する制振手法を提案した.そして,実験により提案する制振手法の制振効果を検証した.構築した制御システムは,ウェブの振動変位を計測するレーザ変位計とローパスフィルタ,コントローラおよびアクチュエータから構成される.レーザ変位計で計測されたウェブの振動変位の信号は,ノイズと高振動数モードの信号をカットするためにローパスフィルタに入力され,その後コントローラに取り込まれる.コントローラは信号の位相をシフトさせてゲイン倍した制御信号をアクチュエータに出力する.アクチュエータはコントローラからの制御信号により駆動される.本研究では,スリットの面積を能動的に変化させるアクチュエータを新しく構築した.アクチュエータはシェーバーの振動機構を参考にして,可動板をスライドさせてスリットの面積を変化させる機構とした.主な制御パラメータは,振動変位に対してスリットの面積を変化させる位相とゲインであり,これらのパラメータを変化させて制振効果を実験的に調べた,実験により,提案する制振手法が自励振動の抑止に有効であることを示した.また,位相のシフト量が重要なパラメータであり,限られた位相シフトの範囲で制振効果が得られること,ゲインを大きくすると制振効果が大きくなることを示した.これらの結果より自励振動の発生を制御技術の導入により抑止できる見通しを得ることができた.
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