2010 Fiscal Year Annual Research Report
地震による大きな引抜力を受ける塔状構造物用セミアクティブ免震装置の開発
Project/Area Number |
20560226
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
小林 信之 青山学院大学, 理工学部, 教授 (70276020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 佳城 青山学院大学, 理工学部, 助教 (10422320)
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Keywords | 機械力学・制御 / 構造工学・地震工学 / 免震装置 / 塔状構造物 / 地震応答 |
Research Abstract |
本年度は,塔状構造物の高精度なモデル化,平行リンク型セミアクティブ免震構造の剛性を切り換える制御系の設計およびその性能を評価するための数値シミュレーションを行った. 1.大変形と大回転を伴う塔状構造物の高精度かつ低次元運動方程式の構築 極めて柔軟で大回転と大変形を伴いながら複雑な動的挙動を行う3次元梁構造の動的応答解析を高精度かつ高速で実行可能な柔軟マルチボディダイナミクスに基づく定式化手法を開発した.従来提案されてきた柔軟マルチボディダイナミクスに基づく定式化においては計算精度を向上しようとすると一般化座標の数が大きくなるため計算性が悪くなる問題点があったが,提案手法は非線形運動方程式の線形部分を利用した一般化座標の縮退方法を開発することにより計算性の大幅な向上を実現した.その有効性を数値シミュレーションにより確認し,塔状構造物の3次元挙動の動的応答解析を可能にした. 2.セミアクティブ免震制御器の設計 平行リンク型免震構造の復元力を担うばね機構の剛性を切り換えるための評価関数としてリヤプノフ関数を用いる方法とエネルギ保存則に基づく方法を用いた制御器の設計を行った.また,設計した制御器の地震応答の抑制効果を数値シミュレーションにより比較検討した.その結果,両手法とも非免震時の5割から7割程度に免震層の層せん断力係数を低減できることが分かった.しかしながら,ばね機構の剛性を高い側に切り換える時にパッシブ免震より免震層の層せん断力係数が高くなる場合が有り,制御器の設計法について更に検討・改良を行う必要があることが分かった.
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Research Products
(4 results)