2008 Fiscal Year Annual Research Report
車両衝突時における乗員の筋特性変化を考慮した損傷低減統合制御
Project/Area Number |
20560227
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
西村 秀和 Keio University, システムデザイン・マネジメント研究科, 教授 (70228229)
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Keywords | 衝撃制御 / アクティブ制御 / 乗員保護 / 衝突安全 / 制御工学 |
Research Abstract |
物体間の衝突によって生じる衝撃を和らげるためには,物体間に緩衝材を挿入することが考えられるが,衝撃を受ける物体に生じる変形量や絶対変位,減速度等を適切に調整することはできない.当該研究では車両衝突時における乗員損傷を低減するための協調制御システムを検討した.シートベルトやエアバッグなどが乗員の拘束装置および緩衝材として機能しているが,これらを協調して機能させるための制御を検討した.このため,最初に車両前面衝突時における乗員の挙動を解析した.既存の乗員保護装置による乗員に対する拘束のタイミングをまず把握するため,マルチボディダイナミクスを用いたモデル化とシミュレーションを行った.このモデルに基づき,乗員の上肢ならびに下肢への損傷を最小限に抑えるために必要な拘束力を最適化した.乗員保護装置としては,シートベルト,エアバッグ,ニーボスルターを想定した.これらの拘束力をそれぞれ明らかにし,乗員の損傷を抑制するための条件を検討した.さらに既存の衝撃制御実験装置において,アクチュエータを実装するための改良を検討し,実験装置の改良図面を作成した.また,同時に協調制御システムをDSP (Digital Signal Processor)上に構築し,アクチュエータの動作確認を行った,一方,制御系のロバスト性の検証を行うため,モデル上の各パラメータに変動を与え,制御系への影響の度合いをMATLABにより検証した.この結果,荷重目標値を与える制御系がある程度のロバスト性を有することを示した.
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