2010 Fiscal Year Annual Research Report
スキル拡張型遠隔作業ロボットを用いた人間機械協調高効率セル生産システムの構築
Project/Area Number |
20560236
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
伊藤 友孝 静岡大学, 工学部, 准教授 (00283341)
|
Keywords | ロボット / 人間機械系 / セル生産システム / 遠隔操作 / 作業支援 / 人間の特性 / スキル |
Research Abstract |
本研究は,人と作業ロボットが互いに協調しながら効率的に作業を行える「人間機械協調型の高効率セル生産システム」の構築を将来目標とし,熟練者の持つ作業スキル(機械操作特性や情報判断特性)を作業データから抽出し,それを元に視覚的・物理的に作業に介入する支援機能を設計して,有効性の確認を行った. 今回は,半田付け作業と機械部品の組み付け作業の二つを題材とした.半田付け作業は,動作は比較的単純であるが,基板の温めから半田投入,鏝の引き上げに至るまでの,温度や作業力,タイミングなどが結果にどう影響するのか,作業の状態量の因果関係が不明な作業の好例である.研究では,遠隔操作型ロボットシステムを用いて実施した熟練者の半田付け作業のデータを元に相関分析を行い,熟練者の持つ作業戦略をチャート化することに成功した.そして,そこから得られた作業戦略を用いて,半田付け初級者の作業を支援するシステムを構築し,有効性を確認した.一方,機械部品の組み付け作業は,順に拘束を増やすなど,逐次の達成目標を順にクリアしていくことで作業が完了するものも多く工程分割や因果関係は比較的単純であるが,各工程内の動作や戦略は高度なものが要求される作業の例として設定した.研究では,クリアランスの小さい精密センサ部品の組み付け(カバーの嵌め合い)を題材に熟練者の作業データを解析し,熟練者の作業戦略を明らかにした.得られた戦略を元に,非熟練者の作業支援および自動組み付け実験を行い,その有効性を確認した,特に,熟練者のスキルを用いた作業の自動化では,非常に単純な制御則で効率的な組み付けが行えることを確認した.半田付けスキルに関しては現在論文投稿中で,後者の機械部品の組み付けに関しては得られた成果を投稿準備中である.
|