2008 Fiscal Year Annual Research Report
生体信号及び上肢運動特性を考慮したユーザの意図推定と予測制御に関する研究
Project/Area Number |
20560240
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
鈴木 哲 Tokyo Metropolitan University, システムデザイン研究科, 助教 (50306502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 岳巳 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (50404934)
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Keywords | 人間工学 / 生体信号処理 / 意図推定 / 予測制御 |
Research Abstract |
本研究では,手動制御系操作時における使用者の動作を推定し,迅速且つ正確,安全にその動作を完了するための支援方法を検討することを目的とする.そのために,使用者に負担を掛けずに生体情報を取得し,さらに取得した生体情報を用いて作業の帰結である作業精度や作業時間を予測・推定する技術の構築,の2点が検討事項とする. 初年度は計測対象者の負担を軽減するためのセンシングの課題に取り組むこととした。高感度な磁界センサを利用し,より高精度に,且つ衣服の上から完全な非接触で筋の活動の状態を把握する技術を開発することを目指した.上腕部及び前腕部数箇所の衣類を模擬した厚さ1mm程度の綿布上にセンサを設置して筋の活動を同時計測することとした.また,高い磁界シールドの性能をみせるパーマロイC鋼を用いてセンサ全体をシールドし,生体の磁界変位のみを検出するよう工夫を施した.上腕の動きを捉えるためのタスクとして,前腕を10回程度上げ下ろしや錘などにより負荷を与えて同種の動きを行うなど,複数の条件化で計測を行うとともに,リファレンスとして筋電図による筋活動計測を行い比較した.その結果,動作量にも変化の速度に対しても極めて高い線形性を示したことから,身体表面に直接触れずに筋の活動状態を捉えるスイッチング方法の一つとなりうることを確認した.直接皮膚に触ることなく,衣類を介して筋活動を推定できることや,時間的な応答性に優れている点,また極めて微小な変化に対しても線形性は崩れずに反応していることなど,筋の活動状態を把握する上で実用上好ましい計測手法であると考えられる.ALSや脊髄損傷といった障害に対する意思伝達用制御機器のスイッチングに有効であると考えられる.また,センサ部分が極めて小型であることから衣類等に組み込むなど,より自然に無自覚な計測が可能であると考えられ,これについて特許出願を1件行った.
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