2008 Fiscal Year Annual Research Report
光ナノセンシングデバイスのオプティクス・メカニクスの融合設計法の研究
Project/Area Number |
20560243
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
大久保 俊文 Toyo University, 工学部, 教授 (60349933)
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Keywords | 近接場 / 光浮動ヘッドスライダ / 微小開口 / パターンド媒体 / (光)導波路 / FDTD法 / 表面プラズモン |
Research Abstract |
本研究の狙いは、光の波長を下回る100nmサイズの微小開口を、パターンド媒体表面にごく近接して走査することにより、超高密度・大容量でかつ高速の情報授受が可能な光メモリを実現することにある。研究を進めるに当たっては前期交付期間(平成17〜19年度)の理念を継承することとした。すなわち開口周辺の場と媒体の相互作用などの基本原理検証に止まらず、高記録密度信号を、実データ転送速度および高信号S/Nにおいて、しかもコンパクトなデバイス構成を以て実証するとするものである。今期(H20~22年度)にわたる実証数値目標は、ビット長が40-60nm長の微細パターンを、周波数帯域15MHz以上、信号S/N18dB程度以上の条件にて検出することに置く。当該年度は従来より蓄積した研究成果を受けて、空間分解能と信号出力の同時向上が可能な三角開口を対象に、再生信号に及ぼす偏光方向、実効スペーシングの影響解明を主目標に検討を進めた。またパターンド媒体の高密度化(描画線幅の低減や、再現性の確保)や、遮光膜・カーボン保護膜の薄層化(遮光膜は従来28nmに対して25nm、カーボン保護膜は10nmに対して8nm)の検討も並行して進めた。 得られた主な結果は以下の通り。 三角開口に対する照射偏光の方向については、従来開口部の層構成や形状などヘッド毎の個体差が大きく、また実効スペーシングも40nm弱がやっとであることから必ずしも理論予測に合致する結果が得られていなかった。今回、試作ヘッドから特性の良好なものをセレクトし、また開口突出もスライダ浮上面から25nmと大きく設定(実効スペーシングの低減)したこともあり、偏光方向の影響を精密に定量化できた。特に開口底辺に直交する方向に照射した場合、空間分解能が最良で、かつオフセット光が抑制されるなど良好な再生信号が得られた。また、一定長の金属部を通過した後、スペース(非遮光)部に至ると、スパイク状の高出力信号波形を生じることを示した。これは同時に特定の周期の微細交番パターン信号が、条件によって強調されたり、また抑制される原因となることを解明した。
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[Remarks] 2.受賞等T. Ohkubo, M. Park, M. Hirata, M. Oumi, K. Nakajima, “Read-out and Tracking Charact eristics of a Triangular Aperture Mounted Head Slider Applied a Polarized Violet Laser Source", Best Optical Storage and Technologies Track Paper Award, The Executive Committee of the Information Storage and Processing Systems(ISPS)Division of American Society of Mechanical Engineers (ASME), June 16 2008