2009 Fiscal Year Annual Research Report
光ナノセンシングデバイスのオプティクス・メカニクスの融合設計法の研究
Project/Area Number |
20560243
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
大久保 俊文 Toyo University, 理工学部, 教授 (60349933)
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Keywords | 近接場 / 光浮動ヘッドスライダ / 微小開口 / パターンド媒体 / 光導波路 / FDTD法 / 表面プラズモン |
Research Abstract |
本研究の狙いは、光の波長を下回る100nmサイズの微小開口を、パターンド媒体表面にごく近接して走査することにより、超高密度・大容量でかつ高速の情報授受が可能な光メモリを実現することにある。今期も研究を進めるに当たってはこれまでの理念を継承することとした。すなわち開口周辺の場と媒体の相互作用などの基本原理検証に止まらず、高記録密度信号検出を、実データ転送速度に近い帯域において、しかもコンパクトなデバイス形態に基づいて実証するとするものである。助成期間(H20~22年度)全般にわたる実証数値目標は、ビット長が40-60nm長の微細パターンを、周波数帯域15MHz以上、信号S/N18dB程度以上の条件にて検出することに置く。 当該年度はこれまで検討してきた空間分解能と信号出力の同時向上が可能な三角開口について、より寸法が小さく(代表寸法が100ナノメートル程度)、しかも形状精度の高いサンプルを作製の上実験を行う予定であったが、加工性の向上が予想外に困難であり、良好なサンプルの作製に至らなかった。そこで従来ヘッドサンプル(代表寸法330ナノメートル)をもとに、最小100ナノメートル幅までの狭トラックパターンを対象に、再生信号に及ぼす偏光方向の影響や、トラック幅方向の近接場の広がり具合を調べた。狭トラックの再生信号に関する偏光の方向については、一般的に三角開口の底辺(底辺の方向は、トラック幅方向に一致させる。)に直交させた場合に最も高い信号強度が得られ、次いで平行の場合が続き、45度傾けた場合がもっとも信号強度が低く、トラック方向の空間分解能が低くなることが分かった。トラック幅が狭くなるに連れて、信号強度自体が小さくなるのはもとより、いずれの偏光方向の場合も、オントラック時の信号強度が低下し、対照的にオントラック状態から150~200ナノメートル開口がずれた位置で振幅の極大が生じた。この傾向は、45度の場合が最も顕著であり、次いで平行の場合が続き、90度の場合は、その傾向は最も小さかった。
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