2011 Fiscal Year Annual Research Report
消化管内走行/検査/投薬マイクロメカニズムに関する研究
Project/Area Number |
20560244
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 高廣 九州工業大学, 大学院・情報工学研究院, 教授 (10367401)
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Keywords | マイクロメカニズム / 走行カプセル |
Research Abstract |
消化管内を自走して検査時間の短縮を目指したカプセルを、設計・製作・評価した。特にカプセル小型化、無線化(自走)、投薬機構、生体採集機構を重点化して進めた。この結果、(1)電源、駆動回路、走行機構を滑らかなカプセルの内部に収めて自走させること、(2)MEMS技術によりカプセルに収まる投薬機構を製作すること、(3)形状記憶合金アクチュエータを利用した生体採集機構を製作すること、を達成した。 (1)無線化では、ワンチップマイコンを用いてプログラミング可能かつ走行に必要な波形発生する回路をカプセル内に収めて自走実験に成功した。ただしカプセルの大きさが直径20mm,長さ40mmとまだ大きく、呑み込めるサイズに小型化する課題が残った。 (2)投薬メカニズムは、MEMS加工技術により、Siウエハを500μm深掘りして薬タンクを製作し、金の薄膜による蓋を形成して、電流を流すと蓋が溶けて薬が吐出する機構を作製できた。ただし、容量をより大きくする課題が残った。 (3)生体採集アクチュエータは、微小なブラシを出し入れして生体を微量最終するもので、形状記憶合金を用いたアクチュエータで微小ブラシを前後に動作するものを製作した。しかし、サイズがまだ15mmあり、さらなる小型化が必要である。 必要な各要素を具体化することができたことが、今回の成果であり、意義のある点である。振動を利用することにより、滑らかな外形で、体内を傷つけることなく自走できることは、本研究の走行カプセルが初めて実現したことである。現状のカプセル内視鏡は自走できないため検査に時間がかかるという問題点を本カプセルは解決できる。さらなる小型化と改良により、今後医療現場において、検査、治療に役立つことと期待している。
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