2009 Fiscal Year Annual Research Report
光トラップポテンシャル場の動的形成による非接触マイクロ操作の研究
Project/Area Number |
20560252
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
田中 芳夫 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 健康工学研究センター, 主任研究員 (30357454)
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Keywords | 光ピンセット / 知能機械 / マイクロ・ナノデバイス / 画像処理 |
Research Abstract |
本研究は,光学顕微鏡下の様々な形状と光学的性質を有する物質を対象に,実時間画像処理による被操作対象物の特徴認識技術とレーザ光の照射により形成される光トラップポテンシャル場分布の実時間制御により,非接触で被操作対象物の3次元姿勢や位置を高精度かつ動的に制御するための基盤技術を開発することを目的としている.本年度得られた主な成果は以下のとおりである. 1.特徴認識アルゴリズムの開発:球形の微粒子の認識においては検出すべきパラメータが中心座標と径の3つであるため,円ハフ変換を用いての1~10ミクロン程度の微粒子認識とその後のレーザ捕捉を自動的に安定して行うには,現在の市販パソコン(Intel Core2 Duo)程度の計算機能力でも十分であることが,理論的検討と実証実験により明らかになった. 2.孤立点型トラップ場の制御による微粒子の動的アレイ化:レーザ光による非接触捕捉から格子状配列化までのすべての動作を自動的に行える動的微粒子アレイの作成アルゴリズムを開発した.この制御アルゴリズムをガラス基板上に滴下された溶液中のガラス球や色付きポリスチレン球に適用し,項目(1)で開発した円ハフ変換による微小球の実時間画像認識法と,レーザ光の時分割同期走査により生成した孤立点型の多点光トラップ場の時空間構造の制御により,微粒子が相互に衝突することなく動的微粒子アレイを作成できることを明らかにした.また,このアルゴリズムを3ビーム光ピンセットシステムに適用し,各々のレーザ光を時分割同期走査することで,6x6という大きなサイズの動的微粒子アレイの完全自動作成にも成功した.
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