2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560257
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
杉本 俊之 山形大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (10282237)
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Keywords | 表面抵抗率 / 非接触測定 / コロナ帯電 / 表面電位測定 |
Research Abstract |
本研究は、導体から絶縁体の広い範囲の材料の表面抵抗率を非接触で測定する方法の確立を目的とする。Φ型構造電極と呼ばれる特殊構造のコロナ帯電電極と、表面電位計を組み合わせ、対象物の一部をコロナ帯電させながら、表面を拡散する電荷の移動速度を測定することで表面抵抗率に換算する。今年度は、測定精度の向上に焦点を絞り、市販の表面電位計を複数点設置したとき、および、自作の誘導電流測定装置による表面抵抗率測定を行った。市販の表面電位計は応答速度が遅いため、表面抵抗率が10^9Ω以下の資料では正確な測定ができないことが判明した。また、自作の誘導電流測定装置によれば、急速な電荷の移動が測定できるため、10^6~10^9Ωまでの測定が可能となることが判明した。 一方、表面電荷の移動速度と表面抵抗率との関係を予測する理論を構築し、抵抗とキャパシタの梯子型等価回路を用いることで、所定の電位まで上昇する時間と表面抵抗率とが比例関係にあることを確認した。また、この理論によって得られた値と、実測値との比較を行い、前記の理論が妥当であることを確認した。最終的に、低抵抗領域では誘導電流測定を行い、高抵抗領域では表面電位測定を行うことにより、表面抵抗率が10^6~10^<13>Ωの範囲で非接触測定が可能であることを確認した。これは、いわゆる静電気拡散領域を網羅する、実用上十分な測定範囲である。これらの結果を学術誌に公開した。
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