2010 Fiscal Year Annual Research Report
超短パルス高電界がん治療法のためのパルス電磁波放射による高電界生成と効果の研究
Project/Area Number |
20560258
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
南谷 靖史 山形大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (10323172)
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Keywords | 癌 / 細胞 / 核 / 超短パルス高電界 / パルス電磁波 / アポトーシス |
Research Abstract |
ナノ秒程度の非常に短い時間,超高電界(数10kV/cm程度)をがん細胞に印加すると,細胞を物理的に破壊するのではなく,細胞の自発的死(アポトーシス)を起こしがんを治療することができる。この効果を体内部の患部に非外科的に適用し治療に利用できるように,アンテナにより患部に集束板で集中して電界を印加する方法について研究している。本年度は,バーストパルス高出力電磁波によるがん治療法における治療に最適なパルス電磁波のパラメータを明らかにするため,10kV/cmを超える高周波バーストパルス高電界を大腸菌,酵母,HeLa細胞に印加し,その損傷に対するパルス周波数の影響を調べた。大腸菌の実験では電界の周波数が50MHzを境にして菌に対する影響が変わり,超えると大腸菌内部に対する影響,それ未満では膜に影響が出ることがわかった。HeLa細胞の実験では高周波の電界強度は40kV/cmとし,印加した周波数は1MHz,6.5MHz,30MHz,70MHzと190MHzである。190MHzを除き処理時間は約90sとし,各周波数で印加するエネルギーが25Jになるように印加パルス数を調整した。測定はPI試薬にて2時間後と24時間後の蛍光強度と蛍光発光数をフローサイトメータで測定した。またPCRによってmRNAの発現量を測定しアポトーシスが起こる兆候があるか調べた。結果、1MHzでは膜破壊によって細胞死が起こっていることが確認された。70MHzではPCR測定でアポトーシスの兆候が見られたがPI測定では発現には至っていない。もっと高周波の190MHzでPCR測定でアポトーシスの兆候が見られ、PI測定でも細胞死が確認されたためアポトーシスが起こっていると考えられる。今後再現性の確認を行うと共に、さらに種々電界パラメータについて詳しい測定を行っていく。
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Research Products
(4 results)