2010 Fiscal Year Annual Research Report
パルスプラズマアブレーション技術を導入したプラズマプロセス装置の開発
Project/Area Number |
20560267
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
木村 高志 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60225042)
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Keywords | パルスプラズマ / アブレーション / PTFE / 薄膜 / フッ化ダイヤモンドライクカーボン |
Research Abstract |
アブレーションにより固体材料(PTFE)から発生したガスを原料ガスとしてプラズマを生成させ、そのプラズマを材料プロセスへ応用することを研究の目的としている。 アブレーション用パルスプラズマ装置として電熱加速型パルスプラズマ推進機に着目し、固体原料としてテフロン(PTFE)を用いた。4.5μFのコンデンサに貯えられた静電エネルギーによって直径4.5mm,長さ12.5mmの円筒キャビティ内にパルスプラズマを1s毎におよそ30μsの間生成させ、そのプラズマ曝露によりプラズマ下流部に設置されたシリコン基板上に褐色のカーボンフィルムを成膜した。カーボンフィルムの成膜速度はコンデンサに貯えられた静電エネルギーに強く依存するが、本実験では1パルスあたり1nm以下であり、およそ0.5-1.0μm/h程度であった。基板上の成膜の特性を把握するため、XPSならびにRaman分光測定を行った。XPS測定より薄膜表面上で炭素とほぼ同等のフッ素が含有されていること、Raman分光測定よりDバンドとGバンドの観測を通してアモルファスカーボン膜が形成されていることが明らかになった。加えて、静電エネルギーが比較的低い条件下(3J程度)で成膜した場合、ナノインデンターで測定した膜の硬度は最大7GPaに達した。これらの結果より、アブレーション用パルスプラズマ装置を用いて、やや軟質ではあるがフッ化ダイヤモンドライクカーボン膜の形成が可能であることを確認できた。
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Research Products
(2 results)