Research Abstract |
22年度では,21年度に開発した,関節アクチュエータ及び人間型ロボットアームへの搭載へ向けての課題を克服すべく,更なる広角化・高トルク化のための改良設計を行い,解析シミュレーション及び試作機による実験検証により目標性能(回転角度±20deg,トルク2Nm)を満足することを確認した。詳細は以下の通りである。 まず,広角化,高トルク化のために,現状のインナーロータ型からアウターロータ型の磁気回路構造を提案し,三次元有限要素法を用いて,ミュレーション実験による最適化を実施し,磁気構造の寸法パラメータを決定した。これにより,可動部はそれぞれX軸,Y軸周りに±25°,Z軸周りに360°の広角化駆動を実現できることを確認した。また,可動部外径φ90と小型にも係わらず,最大トルク5N・mと目標値を大きく上回る性能であることが分かった。 次に,人間型ロボットアームへの搭載へ向けて,3軸周りの位置決め制御するために,2つのイメージセンサを用いた三次元位置センシングシステムにおいて,課題となっていた累積誤差を解消するため4つのホール素子を用いたゼロ点検出法を提案した。両センサからの検知信号を用いてDSPシステムによるフィードバック制御を行い,高い位置決め精度を確保できることを確認するとともに,人間型ロボットアームの関節アクチュエータとしての有効性を明らかにした。 更に,高度で汎用性の高いベクトル制御の実現に向けて理論構築を行い,有限要素法解析結果との比較により,その適用可能性を見出した。
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