2008 Fiscal Year Annual Research Report
低温で膨脹する次世代高熱伝導プラスチックによる伝導冷却超伝導コイルの高性能化
Project/Area Number |
20560277
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
高尾 智明 Sophia University, 理工学部, 教授 (30245790)
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Keywords | 超伝導コイル / 安定性 / ダイニーマ |
Research Abstract |
超伝導コイルの冷却に冷凍機を使えば、面倒な極低温液体の取り扱いから解放されるため、冷凍機冷却型の超伝導コイルの使用が広まってきている。このような冷凍機冷却型の超伝導コイルは冷媒がなく、真空断熱容器の中で冷凍機のコールドヘッドと超伝導コイルを固体でつないでコイルを冷やしている。そのため、熱伝導率の高い固体を使えば、コイルを効率よく冷却できる。現在は、この固体として窒化アルミが一般的に用いられている。しかし,窒化アルミの問題点は硬くてもろいことである。研究現場からの声として、現場にて再加工が容易な代替材料が望まれている。その材料として高熱伝導なプラスチックであるDFRP(Dyneema Fiber Reinforced Plastic)を提案し、実証するのが本研究の目的である。 今年度は,DFRPを巻枠とする小型の超伝導コイルを試作し,直流を通電して安定性を評価した(巻線張力は4,7,10N)。また比較材料として,代表的な非金属巻枠材料であるGFRP巻枠として同サイズのコイルを作った。 冷凍機のコールドヘッドにこれらのコイルを乗せ直流通電したところ,GFRP巻枠のコイルが最も早くクエンチし,次いで巻線張力が弱い方から順にクエンチした。このことから,DFRP巻枠の高い熱伝導率がコイルのクエンチを遅らせたことが実験的に示された。
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